SPRITE-SAT

スプライト観測衛星
A Small Satellite for Scientific Discovery

更新日 2008年6月28日
update Jun. 28 2008


JAXA相乗り小型副衛星ワークショップ
JAXA's Workshop for Piggyback Satellites
2007年7月23日に開催された相乗り小型副衛星合同ワークショップでは, JAXAの主衛星(GOSAT)と相乗り衛星がH-IIAロケットの先端に取り付けられる様子を示す模型が,展示されました. GOSATに比べてSPRITE-SATがいかに小さいかがよくわかります.

MTM振動試験@筑波
Vibration Tests using a Mechanical Test Model (MTM) at Tsukuba

2007月10月9日より11月2日までJAXA筑波宇宙センターにて, 衛星の構造試験モデル(Mechanical Test Model, MTM)を用いて, 質量特性の計測および振動試験を行いました.
衛星は打ち上げ時に厳しい振動環境にさらされます. この試験の目的は,構造強度と質量分布がフライトモデルと等価となるように製作したMTMモデルを 用いて試験をすることにより,構造設計が適切であることを確認し, 衛星構体の共振周波数や各部分の振動加速度の増幅倍率に関する基礎データを得ることです.
モデルの各部分に加速度計を取り付けて,X, Y, Zの各軸に,正弦波やランダム波を与え,AT, PFTと呼ばれる 加速度レベルで振動させて,データを記録しました.

機械噛合わせ
Mechanical Integration

2007年12月18日より第一次の,2008年3月10日より第二次の機械噛み合わせを行いました. 機械噛み合わせでは,衛星を構成する各パーツや機器が寸法どおりに製作されているか,ネジの締まり具合に問題はないか, 組み立て手順に問題はないかなどについて,現物を組み立てながらひとつひとつ確認をしていきました.第二次噛み合わせでは ,計装配線も取り付け,配線の長さ,引き回し方法や,コネクタの位置についても確認を行いました.

電気噛合わせ
Electronics Integration

2008年4月7日より,第一次の電気噛合わせを行いました. 電源系や通信系まわりの配線チェックに始まり,搭載計算機および各機器の接続試験,消費電力の計測など, 手順書に沿って作業を進めました.地上系のコンソール画面より衛星に向かってコマンドを送り, 各部のステータス・データをダウンリンクして画面に表示しながら動作を確認し,ソフトウェアのバグ取り作業も進めました.

工具その他
Tools
衛星の組み立てには,たくさんのネジと,それを締め付けるための工具が使われます. すべてのネジはアルコールで洗浄し,消磁してから組み立てに使われます.工具も毎回の作業開始前に消磁し, 作業が終われば整理・整頓します.
ネジの締め付けにはトルクドライバーを使い,ネジの太さごとに所定のトルクを与えます.
こうすることにより,組立・分解を繰り返しても,毎回同じ条件で組みあげることができます.

通信系
Communication Subsystem

地上と衛星との間の通信には,衛星へのアップリンクにUHF,衛星からのダウン リンクにS-bandを使います.これらに必要な通信機器は(株)アドニクスおよび 三協特殊無線(株)に製作を依頼しました.従来のUHFアンテナは折りたたみ式で 軌道上で展開する必要がありましたが,今回,展開しなくても高い性能を発揮 できる特殊形状アンテナを,三河兵司氏が開発してくれました.

理学観測機器
Instruments for Scientific Observation

SPRITE-SATに搭載される理学観測機器には,衛星下面にあって地球方向に向いている CCDカメラ,C-MOSカメラ,ガンマ線カウンタ(TGC)や,姿勢安定のための伸展マストを兼ねたVLFアンテナ, そしてこれらを総括するミッション用計算機(SHU)から構成されます.小さな衛星ですが, たくさんの機能が盛り込まれています.