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GSN (Ground Station Network) ワーキンググループとは

組織

GSNはNPO法人大学宇宙工学コンソーシアム"UNISEC"に設置されたワーキンググループです。衛星通信地上局のネットワーク運用システムを構築することをめざし活動しています。

  • 参加局 (14年11月1日現在) 国内合計17機関
    • 北海道科学大学(旧名:北海道工業大学)
    • 東北大学
    • 首都大学東京, 創価大学, 筑波大学, 東海大学, 東京工業大学, 東京大学, 東京電機大学, 都立産業技術高専, 日本大学, 山梨大学
    • 福井工業大学
    • 大阪工業大学, 大阪府立大学, 和歌山大学
    • 香川大学
    • 九州大学, 九州工業大学, 福岡工業大学

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図 GSN参加地上局一覧

背景

現在、日本各地の大学や高専の学生が手作りで人工衛星(CubeSat等)を開発し、校内に設置した地上局(衛星通信局, アマチュア無線通信局に衛星追跡用のアンテナ制御機能およびパケット通信機能を付加したもの)で通信・運用するといった活動が活発化しています。

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写真 左:東京大学が開発し現在も運用中のCubeSat XI-IV (C) 東京大学  右:菅平GSN局 (電気通信大学 菅平宇宙電波観測所)

目的

日本国内、および全世界に散在する地上局を、インターネット等を介して遠隔制御可能にし、相互に協力運用する「地上局ネットワーク」の構築をめざすことが本ワーキンググループの目的です。

期待される効果

  • 通信時間の増加
  • 高度800km程度の「低高度地球周回衛星」は、わずか100分程度で地球を一周します。そのため、単独の地上局から衛星と通信できる時間は、一回あたり15分程度、一日でも60分程度です。世界的に分散した複数局で観測することにより、単独局での観測よりも多くの通信時間を確保できます。
  • 代替局の即時利用
  • 設備故障や気象条件により衛星との通信が不良になる現象は多々発生します。また都市部においては違法電波により衛星との通信が妨害される機会も多いです。そのような場合に、代替地上局を即時に利用できます。
  • 打上直後やトラブル時における迅速な対応
  • 打上直後は衛星が機能しているかどうかを即座に知ることが必要です。そのため、ネットワーク上の地上局をフルに活用して対象衛星を追跡することで、単独局の場合よりも早く、正確に衛星の初期状態を知ることが可能です。また何かトラブルが発生したときに、ネットワーク局を活用して通常よりも多くの情報を収集することが可能です。

活動状況 (2012年2月現在)

  • 会議

メーリングリストを設置しています。また月に一度程度、ネットミーティング(音声やチャット)を実施します。

  • 衛星打ち上げ時の共同追跡

CubeSatなど、アマチュア無線回線を利用した衛星が打ちあがるときには、全局一丸で初期補足をめざします。次回は、日本大学および東京工業大学のCubeSat打上に向けて各局の整備を実施中です。

普段宇宙や宇宙工学になじみのない方々に向けて、より多くの方々に宇宙や人工衛星に触れることを楽しんでもらうために、訪問授業やイベント出展等を行っています。また、JAMSATとの連携や、UNISEC内のGSN未加入団体へのGSNWG紹介等を行っています。

  • GSN各局のノウハウ共有

GSN各局がこれまで独自に蓄積してきた技術的ノウハウや災害対策などを共有するために、アンケート調査やSNSを使った情報共有への取り組みを行っています。

  • 合宿

電気通信大学菅平宇宙電波観測所で合宿を開催しました(2006年度より実施。2007年度は6/30, 7/1に開催済)。合宿では、GSNの中核ソフトであるGMSのドライバを分担で開発しました。

  • 地上局ネットワークGENSOプロジェクトへの参加

GSN同様、世界的な地上局ネットワークをめざし、ESA/JAXA/NASAが取り組んでいる"GENSO"プロジェクトが進行中です ( http://www.genso.org/ )。 GSN-WGは本プロジェクトの活動に参加し、将来的にGENSOと互換性のあるシステム構築をめざしています。

  • GMSをGENSOのハードウェアコントロールモジュールとして提供
  • System Administrationグループ(G-SYS)へのUNISECメンバーの参加
  • アルファ・ベータテストへの参加(予定)

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写真 アウトリーチイベント(訪問授業)の様子 (2011年)

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写真 長野県菅平での合宿 (2007年6月)

GSNによる遠隔運用

遠隔運用の概要

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図 平常時の運用

平常時、A大衛星をA大の地上局から観測しているとします。A大地上局は、地上局の機能を制御するコンピュータ(A大地上局サーバ)と、ネットワーク経由で遠隔制御するコンピュータ(A大地上局クライアント)で構成します。この2つは、同一のコンピュータでも構いませんが、A大地上局サーバを遠隔からでも制御できる機能が必須です。 また同様の仕組みで、B大地上局が構成されているとします。B大地上局はまだ自前の衛星を持っていないので、A大衛星を観測することで運用練習をしている想定です。

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図 緊急時の運用

ここで、A大地上局の設備に故障が発生したと想定します。A大にとっては、自前のA大衛星を観測できない状況になりますので、ひじょうに困ったことになります。このような場合に、B大の地上局を代替活用することが可能になるのがGSNの特徴です。A大地上局サーバとB大地上局サーバは、「ネットワーク上から同じ方式で制御できる」仕組みを持っていれば、A大地上局クライアント(運用ソフト)から、B大地上局サーバを経由してA大衛星との通信が可能になります。 もちろん、このような仕組みがなくても、A大からB大に代理で観測要請を出すことで解決は可能ですが、A大が使用している観測ソフトとB大が使用している観測ソフトが同一でない場合が多く、また運用手順は単純ではないため、結果として人員を派遣しなければ解決しないでしょう。 故障だけでなく、天候不良や妨害電波など、突如として通信不可能になる機会は多々あります。このような状況において、即座に代替局を利用して、平常時と同じ感覚で運用可能にする枠組みがGSNの特徴です。

GSN局を構成するには

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図 GSN局のソフトウェア構成イメージ

  • まずは、地上局設備をコンピュータから制御できるようにする

通常、地上局を構成するハードウェアは「トランシーバ」「アンテナローテータ」「TNC (モデム)」「電源」等があります。これらは手動で調整することは可能ですが、それでは遠隔のコンピュータから制御することはできません。まずは自前のコンピュータとこれらの機器をシリアルケーブル等で結合して、コンピュータ上から「トランシーバの周波数」「アンテナを向ける方位角・仰角」等を制御できるようにしましょう。

  • ソフトウェア"GMS"はコンピュータからの制御を可能にします

自分でハードウェア制御のプログラムを作成する時間がない場合、"GMS"を使用することで、労力を使うことなく自前のコンピュータから地上局機器を制御できるようになります。また衛星追跡のためには軌道計算が必要ですが、この軌道計算処理もGMSの枠組みで可能です。

ただし、すぐに適用できるのは、使用する機器に対応するドライバが既に作成されている場合であり、対応外の機器を新しく使う場合は、新規にドライバを作成する必要があります。GMSはいろいろな機器に対応するドライバを適用させることが可能です。GSNワーキンググループでは、各地上局で作成したドライバを共有し、新規に参加する局がドライバ製作に労力をさくことがないようにしています。

  • ソフトウェア"GROWS"はネットワーク上の遠隔コンピュータから地上局を制御することを可能にします

GROWSは、ネットワーク上から地上局設備を遠隔制御することを可能にするWeb Serviceです。GMSを採用した地上局は、GMS対応のGROWSを適用することで、この枠組みを最小限の労力で実現できます。また、GMS以外の方式で地上局機器を制御している場合であっても、GROWSの仕様に適合させた互換ソフトを開発することで、GROWS互換局どおしの相互運用が可能になります。

  • GMSおよびGROWSは本ホームページにて公開

GMSおよびGROWS (GROWS簡易クライアント含む) は本ホームページにて公開します。GROWSのクライアントソフトに関しては、各地上局の運用スタイルにあわせて独自に開発することも可能ですし、とりあえずGROWS簡易クライアントで機能を確認することも可能です。 これらのソフトウェアは開発途中でアップデートを繰り返している状況ですので、市販のソフトウェアと比較すると完成度が必ずしも高くはありません。そのため、ハードやソフトに関する技術指導・情報交換もGSNワーキンググループでは頻繁に行っています。


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Last-modified: 2016-12-12 (月) 19:13:17 (196d)