運用計画と電力収支電力モデル上面および側面の合計5面に太陽電池セル(GaAs multijunction cell)を貼りつける。8直接続(18.64V)で各側面の並列数は4 (1780mA)。上面のみ2(890mA)である。よって、直射時の発生電力は33.2Wである(上面のみ16.6W)。数値解析で計算した日照時の発生電力は、軌道投入後のスピン状態(各軸2deg/s)で平均41.1W, 地球指向時(指向軸は0.2deg/s)で平均47.6 Wである。 バッテリはNiMH電池を9直列でユニット化し、合計で10.8V, 3.7AHである。充放電制御では、ある温度および電流におけるバッテリ電圧を計測し、それを特定温度および特定電流における電圧値(T.C.BAT-V)に換算する。この値が13.13Vを超えると充電停止、10.55Vを下回ると低電力モードに移行する。この運用は、バッテリ容量の87~13%の領域を使用すると推定している。 電気試験で太陽電池電力(SCP-P)・バッテリ電力(BAT-P)・バス電力(BUS-P)の電力値を実測し、変換効率を算出した。25Wのバス消費電力時にBUS-PはSCP-Pの87%, BAT-Pの95.5%であることを確認した。 衛星シミュレータによる電力収支の検証衛星シミュレータを作成して電力パラメータの変動を推定した。PC上で動作するサーバプログラムで、軌道モデル、姿勢モデル、太陽電池モデル、バッテリモデル、充放電制御、電力変換効率、および実測した各機器のバス消費電力を数学モデル化している。電気試験と同様にQLソフトから操作し、コマンド送信・テレメトリ受信が可能である。それに加えて、0.1秒刻みのログ出力および倍速モードを搭載しているため、実機よりも短時間で衛星動作の検証が可能である。 リアクションホイールの消費電力は、観測モード15分間における定点指向の一般的なホイール回転速度履歴を適用し、実際に計測した消費電力履歴をモデル化している。 ※詳細結果は下記文献に掲載 Y.Sakamoto, et al., "Development Status and Operation Plan of 50-kg Microsatellite RISING-2 for Earth Observations by Multi-Spectrum Instruments," The 28th International Symposium on Space Technology and Science, June, 2011, Paper No.2011-f-25. 観測モード観測モードは以下に示す7つの観測モードのいずれかを15分以内で実行する.消費電力は各センサ機器と制御装置(SHU)の合計である。
|