プロジェクト概要

 RISING-2の外観を図1に示す。口径約10cm,焦点距離約1mのカセグレン式反射望遠鏡を搭載し,高度約700kmの太陽同期軌道から,分解能5mで地球を撮像する.全地球規模で災害発生箇所を撮影,即時公開することで,社会インフラに貢献する.カラー地表画像に加え,液晶チューナブルフィルタを介した多波長観測が可能であり,可視近赤外での積乱雲観測を主ミッションとする.またSPRITE-SATと同ミッションである,高高度放電発光現象(スプライト)の観測を副ミッションとして実施する.観測センサ(CCD,CMOS等)を合計8台搭載した本格的な地球観測衛星であり,本衛星の運用により,世界的に実例が少ない超小型衛星による高分解能撮影を達成する.

 積乱雲の可視近赤外での高解像度撮影は,数10ms間隔で連続撮影し,複数波長での詳細な雲構造を取得する.これはTRMMなどの衛星(kmオーダ)や通常の地上レーダよりも解像度が高い.観測したデータは,ゲリラ豪雨のメカニズム解明や,天気予報のための基礎技術確立に貢献することが期待できる.また,広角の可視近赤外用カメラ,および中間赤外用ボロメータアレイを望遠鏡系と併用する.

 高高度放電発光撮影は,観測波長が異なる3台のカメラ(視野角29度)および1台の魚眼CCDカメラ(視野角134x180度)を用いて,雷放電とスプライトの水平構造を同時観測する.雷放電検知のためにVLFレシーバを搭載する.

 本衛星は三軸姿勢制御衛星であり,コマンドで設定した地球上の任意の地点を撮影可能である.本衛星のために,姿勢制御系中央ユニット,リアクションホイール,スターセンサ,ジャイロセンサ等を新規開発する.

 衛星設計条件はSPRITE-SATと類似で,質量50kg未満,寸法500x500x500mm未満,高度約700kmの太陽同期軌道,設計寿命は1年以上とする.H-IIAロケットのピギーバック衛星搭載条件に適合するように環境試験条件を設定する.

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図1 RISING-2外観

(C) The Space Robotics Lab (Space Exploration Lab), Tohoku University
Last-modified: 2011-06-15 (水) 15:58:52 (3043d)