2009年2月4日夜より衛星の機能が正常でない状態が継続しているため、当初計画しておりましたスプライトおよび地球ガンマ線現象の観測には至っておりません。
 しかしながら、東北大局(仙台)およびキルナ局(スウェーデン)において、衛星からの電波受信による監視運用を継続しています。特に、工学的にはこれまでに多くの成果が得られております。
 地上モデルを用いた検証試験等により不具合の原因究明も進んでおり、得られた知識を今後の教訓として生かしていきたいと考えております。
 衛星の状態が回復する可能性はゼロではありません。
 衛星の状況に変化がありましたら、本ページにてお知らせいたします。



●2014年5月24日
「雷神2」が、JAXAの陸域観測技術衛星2号「だいち2号」の相乗り副衛星として、H-IIAロケット24号機にて種子島宇宙センターから打ち上げられました!
初号機「雷神」は2009年1月23日に打上げられました。それから5年後にふたたび同クラス衛星の打上げ機会をいただいたことに感謝します。

「雷神2」の初期運用は順調です。詳しくはこちらをご覧下さい。
「雷神」初号機以降、「雷鼓」「JEM-Glims」「雷神2」と3つのミッションを展開することができ、初号機で果たせなかった大きな目標が達成されつつあります。

●2013年10月28日
「雷神」を長期取材いただいていた瀬名秀明氏の作品「真夜中の通過」が収録された単行本『月と太陽』が発刊されました。
「真夜中の通過」は、仙台の空を通過する制御不能になった人工衛星を捉えた大学院生が主人公になっています。
詳しくはこちらをご覧下さい。

●2012年10月4日~2013年8月6日
2U-CubeSat RAIKO(雷鼓)の軌道上ミッションが成功裏に終了しました。
2U-Cube と呼ばれる大きさ 10×10×20 cm の超小型衛星を開発し、2012年10月4日に国際宇宙ステーションより地球周回軌道に投入され、2013年8月6日に大気圏突入するまでのミッションを行いました。「雷神」で発生した搭載エレクトロニクスについて改良を施した機器を搭載し、軌道上の厳しい環境でも機能することが確認できました。およそ10ヶ月のミッション期間中に63枚の画像を撮影して地上に送信し、また100kbpsの高速通信実験にも成功し、ミッションを無事に終了いたしました。
詳しくはこちらをご覧下さい。

●2012年12月21日
スプライト及び雷放電の高速測光撮像センサが高高度放電発光現象を捕らえました。
「雷神」用に開発した科学観測機器(高感度CMOSカメラ、VLF帯電波受信器、データ処理系)の技術を用いて開発された「スプライト及び雷放電の高速測光撮像センサ」(Global Lightning and sprIte MeasurementS on JEM-EF: JEM-GLIMS)が、国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟船外実験プラットフォームに設置されているポート共有実験装置(Multi-mission Consolidated Equipment: MCE)に搭載され、スプライトと考えられる高高度放電発光現象を捕らえました。
詳しくはこちらをご覧下さい。

●2011年6月3日
報道関係各位に対して、「雷神2」の完成発表報告会を行いました。「雷神2」は、「雷神」の後継機ですが、さまざまな改良と新規技術が導入されています。
詳しくはこちらをご覧下さい。

●2011年4月25日
「雷神」開発のノウハウを凝集した専門書「マイクロサット開発入門」を東北大学出版会から刊行しました。
詳しくはこちらをご覧下さい。

●2010年5月31日

これまでに成果発表した学術論文等の一覧を整理しました.



●2009年2月20日

「雷神」が撮影した地球夜景の写真を公開します.


写真の詳細および衛星の運用状況については,
こちらをご覧ください.





スプライト観測衛星(SPRITE-SAT)
打上げ成功!


東北大学大学院理学研究科と工学研究科が共同で開発を進めてきました
スプライト観測衛星(SPRITE-SAT)の打上げに成功しました!
現在,衛星は所定の地球周回軌道を飛行しています.


The SPRITE-SAT is "RISING"!


(写真:三菱重工業)

●打上げ日時:2009年1月23日(金)12:54:00

打上げシーケンス
H-IIAロケット15号機により,JAXAの温室効果ガス観測技術衛星
「いぶき」(GOSAT)とともに打上げられました.
・JAXAによる打上げカウントダウンのページは,こちら
・相乗り衛星の概要(by JAXA)は,こちら


(屏風絵:「風神雷神図」俵屋宗達,17世紀)


東北大学スプライト観測衛星は、2009年1月23日に無事に打ち上げられ、予定通りの地球周回軌道に投入されました。
衛星の愛称を「雷神」(らいじん,RISING)と命名します。
同衛星は、落雷に伴う高層大気発光現象である「スプライト」を真上から撮影します。
また、ガンマ線カウンタとVLFアンテナにより、地球の雷雲起源のガンマ線放射と落雷を同時観測します。
これらはどちらも世界初の試みです。
英字表記の"RISING"は「らいじん」の発音に「上昇」の意を
掛けたものです。



ロケットから分離される直前の衛星の姿



●2009年1月6日
・主衛星であるGOSATを含む全ての衛星が取り付けられ,フェアリング(ロケット先端部の衛星を囲む覆い)が閉じられました.



写真上:フェアリングが閉じられる直前の写真.
GOSAT(中心)の右下にSPRITE-SATが見えます(JAXA提供)


●2009年1月4日〜
仙台市天文台(エントランスホール)にて「宇宙に飛ばそう私の絵画」入選作品展を行っています.(1月末までの予定)

●2008年12月26日
・衛星がロケットインターフェース部に取り付けられました.



 
写真上:ロケットインターフェース部への取付け作業(JAXA提供)
写真下左:相乗り衛星取り付け部分の概要(JAXA資料より)
写真下右:取付け後の写真(JAXA提供)


●2008年12月16日〜25日
・専用トラックに載せられた衛星は,鹿児島より海を渡り,12月16日に無事に種子島宇宙センターに到着しました.その後,12月19日まで東北大メンバーによる動作チェックが行われました.
・12月23日には安全審査が行われ,ロケットへの組み付け作業へと進んでよいとの判定をいただきました.これを受けて,12月24日には,衛星はフェアリング組立棟(SFA)と呼ばれる建物に移送されました.

  

写真上左:種子島での衛星搬入作業(by JAXA広報部)
写真上右:最終点検(2008年12月19日)
写真下:点検作業終了後の記念撮影(2008年12月19日)


●2008年12月13日
東北大学仙台セミナー「そらからの贈りもの〜宇宙航空の最先端を
知る〜」が開催され,高橋講師(理学研究科)および吉田教授より,
スプライト観測衛星の紹介がなされました.(詳細はこちら)

●2008年12月12日
・衛星を種子島宇宙センターに向けて送り出しました.
あわせて記者発表を行いました.

 
写真左:衛星コンテナの搬出 写真右:記者会見の様子


●2008年9月〜11月
・JAXAの設備(筑波,東大阪)にて,ロケット搭載のための適合性確認試験が行われました. 12月1日にはJAXAにて審査会が行われ,
「適合性確認試験に合格」との判定をいただきました.

●2008年8月31日
・衛星の組み立てが完了しました! 9月2日には,適合性確認試験のために,筑波宇宙センターへ向けて衛星を送り出しました.

 



「宇宙に飛ばそうわたしの絵画&メッセージ」
メッセージ受付け終了いたしました

たくさんの応募ありがとうございました!

これからも本ページにて開発状況をお知らせして
いきますので応援よろしくお願いします.






絵画入選作品を発表します!

8月6日に厳正な審査を行い
入賞11点と佳作22点を選びました.
(氏名および作品はこちらをご覧ください.)


入賞作品を縮小したものを衛星に搭載します.
絵画作品応募者全員の氏名を衛星に搭載します.
応募いただいた全ての作品を,
9月12日(金)〜10月13日(月)の期間,
仙台市天文台に展示します.













東北大学機械系 「瀬名秀明がゆく!
シリーズ26・スプライト衛星を徹底取材

雷雲の上に光るふしぎな“妖精”スプライトを、
世界中の誰よりもはやくつかまえる!
このプロジェクトに挑戦する東北大学の面々を
「瀬名秀明がゆく!」が徹底取材。


(下記画像をクリックしてください)




スプライト観測衛星(SPRITE-SAT)とは

 スプライト観測衛星(SPRITE-SAT)は,東北大学が開発を進めている大きさ50cm立方,重量約50kgの小型衛星です. SPRITE-SATは,以下の先端的な科学観測ミッションを行うことを目的としています.

(1) スプライトと呼ばれる中層・超高層大気での発光現象が1989年に発見されましたが,その発生メカニズムは謎につつまれています.SPRITE-SATは,これらの発光現象を宇宙空間から真下に見下ろすように観測し,スプライト発光の構造や全球分布を明らかにすることにより,その発生メカニズムに迫ります.

(2) 近年,地表近傍でガンマ線が発生していることが観測され,雷やスプライトなどの高エネルギー発光現象との関係性が指摘されています.SPRITE-SATは,雷,スプライトとガンマ線を同時に観測することにより,地球起源のガンマ線放射の謎に迫ります.

 SPRITE-SATは,東北大学大学院理学研究科および工学研究科の研究グループが,共同で開発を進めています.2008年度打ち上げ予定の温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)小型副衛星(相乗り衛星)の一つとして選定され,JAXA種子島宇宙センターよりH-IIAロケットにて打ち上げられる予定です.

スプライト観測衛星(SPRITE-SAT)の特徴


 国の機関による大規模な宇宙開発には,多額の費用と長い開発期間を要します.これに対しスプライト観測衛星(SPRITE-SAT)は,大学が主体となって計画から開発,運用に至るまでのプロセスを実施することにより,絞り込んだシャープなミッション目的を持ち,低コストで短期間の開発を可能とし,新しい科学現象に対してタイムリーな観測を行うことを目指しています.

 スプライトと呼ばれる超高層大気発光現象は,雲の上で起こる現象であることから,比較的最近までその存在が知られていませんでした.近年,宇宙からの観測事例もいくつか報告されていますが,メカニズムの解明に至るような本格的,継続的な観測はまだなされていません.私たちはこのような新しいサイエンスの課題を解明するため,世界に先駆けてスプライト現象観測専用の衛星を開発し,まだ誰も見たことの無い新しい観測結果を得ることを目指しています.

 SPRITE-SATの開発は,東北大学の教員と学生が中心となって,経験豊富な専門家のアドバイスを受けつつ作業を進めています.衛星としての基本機能を構成する部品については,それぞれ個別の専門職人的なメーカに製作を依頼していますが,衛星の組み立てや様々な試験は大学を中心に進めています.多くの場面で学生が主役となってプロジェクトを進めており,Project-based Education(プロジェクトに参加しながら実践的に問題解決能力などを学ぶ教育課程)としても注目すべき取り組みであると考えています.




打上げ後
日目

衛星運用中




Last update:
March. 30, 2014



Information


「宇宙に飛ばそう
私の絵画&
メッセージ」

募集キャンペーン
に応募いただいた
作品も,宇宙に
届けられました!




東日本放送「シリーズ東北大学の新世紀」にて紹介されました.
高橋講師がスプライト観測の意義と衛星開発について語っています.

「人工衛星を
つくっています.」
(動画閲覧可能.)

(2008.5.19.)


英語版
オープンしました.
(2008.8.2.)



■詳細資料■

・2008/02/28
概要説明資料
(PDF:370KB)

・2008/12/12
記者発表用資料
(PDF:480KB)

・2008/12/13
セミナー講演用資料
(PDF:3.5MB)





東北大学

大学院理学研究科/大学院工学研究科


惑星大気物理学分野(地球物理学専攻)宇宙探査工学分野(航空宇宙工学専攻)


問い合わせ:
yoshida (at) astro.mech.tohoku.ac.jp